大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)3351号 判決

〔抄 録〕

弁護人の控訴の趣意第二点について。

よつて記録を調査するに、原審第四回公判調書の記載によると同公判において検察官は昭和二十七年四月二十二日附起訴状変更請求書記載のとおり起訴状記載の訴因及び罰条を変更し、起訴状記載の被告人らが手形を偽造行使してその都度手形金の支払を受けて現金合計百四十七万円を騙取したとの訴因を、被告人らは手形を偽造行使してその都度被告人の銀行預金口座に入金せしめて合計金百四十七万円の不法利益を得たものであると罰条中刑法第二百四十六条第一項とあるのを同条第二項とそれぞれ変更したことは所論のとおりであるが、原判決は右原審第四回公判及び所論の同第九回公判においてそれぞれ変更せられた訴因に従つて事実を認定していることは原判決書の判文上明らかなところであつて、ただその法律の適用を示すに当り刑法第二百四十六条第二項とすべきを同条第一項と誤記したに過ぎず、所論のごとく原審において訴因の変更がなされたにもかかわらず、これを無視して訴因変更前の事実を認定したものということはできない。したがつて所論のごとく原判決は審判の請求を受けた事件について判決せずして審判の請求を受けない事件について判決を宣言した違法があるものとなすことはできない。なお前記の法律の適用の誤は誤記と認められるのみならずその誤はもとより判決に影響を及ぼすものではない。論旨は結局理由がない。

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